第50回衆議院選挙における北海道4区の結果を振り返り、区割り変更や投票率の変化を踏まえ、分析してみます。
選挙背景
北海道4区は、立憲民主党「大築くれは」が当選を果たしました。
以下に、今回の選挙の主要なポイントをまとめます。
項目 | 内容 |
---|---|
当選者 | 大築紅葉氏(立憲民主党) |
対立候補 | 中村裕之氏(自民党)、佐々木明美氏(共産党新人)、斎藤佳代氏(無所属) |
選挙背景 | 大槻紅葉は前回の選挙で中村氏に696票差で敗北し、比例復活当選 |
区割り変更 | 新たに石狩市が4区に加わる |
選挙戦略 | 自民党の「政治とカネ」の問題を批判、1次産業支援、教育充実、防災対策を訴求 |
大築くれはは前回の選挙で惜敗し、比例で復活当選していましたが、今回は直接当選を果たしました。
新たに石狩市が4区に加わったことも影響し、これまでの支持層に加え、新たなエリアでの支持拡大が勝因のひとつとなりました。
各候補者の得票数と戦略
候補者ごとの得票状況と戦略を以下にまとめます。
候補者 | 得票数 | 主な戦略 |
---|---|---|
大築紅葉氏 | 101,484 | 自民党の「政治とカネ」問題を批判、1次産業支援、教育、防災対策を訴求 |
中村裕之氏 | 94,090 | 地方経済活性化、農林水産支援、地域密着の実績アピール |
佐々木明美氏 | 19,063 | 共産党新人、福祉や労働者支援を中心に政策アピール |
齋藤佳代氏 | 10,322 | 新人候補として、無党派層を中心に支援を訴求 |
大築くれはは、自民党の「政治とカネ」の問題を批判し、1次産業支援や教育、防災対策といった地域の実情に応じた政策を強調しました。
これにより、無党派層や新たな支持層を取り込む結果となりました。
後志の得票結果
余市町の選挙結果
…余市町ホームページより。
小選挙区
投票率を見ると、余市町は59.16% となっており、全国平均の53.85% と比較して、5.31ポイント高くなりました。
投票結果
選挙当日有権者数 | 投票者数 | 棄権者数 | 投票率 | |
男 | 6851人 | 4140人 | 2711人 | 60.43% |
女 | 8063人 | 4683人 | 3380人 | 58.05% |
計 | 14914人 | 8823人 | 6091人 | 59.16% |
普段は意識していませんでしたが、町内の有権者数に、男女でこれほどの差があるんですね。
女性の有権者が男性を大きく上回っており、1,212人もの差があるということを改めて認識しました。
開票結果(候補者別得票数)
1 | 2 | 3 | 4 | 無効票 | 合計 | |
候補者氏名 | 佐々木 あけみ | 中村 ひろゆき | おおつき くれは | さいとう佳代 | ||
届出政党 | 日本共産党 | 自由民主党 | 立憲民主党 | |||
票数 | 480票 | 5013票 | 3027票 | 205票 | 98票 | 8823票 |
比例代表
投票結果
選挙当日有権者数 | 投票者数 | 棄権者数 | 投票率 | |
男 | 6851人 | 4140人 | 2711人 | 60.43% |
女 | 8063人 | 4684人 | 3379人 | 58.09% |
計 | 14914人 | 8824人 | 6090人 | 59.17% |
開票結果(政党別得票数)
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | |
日本維新の会 | 自由民主党 | れいわ新選組 | 参政党 | 安楽死制度を考える会 | 社会民主党 | 公明党 | 日本保守党 | |
票数 | 206 | 2826 | 500 | 139 | 35 | 95 | 1032 | 163 |
9 | 10 | 11 | 無効票 | 合計 | |
日本共産党 | 国民民主党 | 立憲民主党 | |||
票数 | 657 | 403.577 | 2444.422 | 323 | 8824 |
政党別の得票数が多い順に並べると、以下の通りです。
政党 | 票数 |
---|---|
1. 自由民主党 | 2,826 |
2. 立憲民主党 | 2,444.422 |
3. 公明党 | 1,032 |
4. 日本共産党 | 657 |
5. れいわ新選組 | 500 |
6. 国民民主党 | 403.577 |
7. 日本維新の会 | 206 |
8. 日本保守党 | 163 |
9. 参政党 | 139 |
10. 社会民主党 | 95 |
11. 安楽死制度を考える会 | 35 |
無効票 | 323 |
この結果から、候補者別の得票数と政党別の得票数には、大きな乖離が見られます。
最高裁判所裁判官国民審査
投票結果
選挙当日有権者数 | 投票者数 | 棄権者数 | 投票率 | |
男 | 6851人 | 4136人 | 2715人 | 60.37% |
女 | 8063人 | 4681人 | 3382人 | 58.06% |
計 | 14914人 | 8817人 | 6097人 | 59.12% |
開票結果
罷免を可とする投票 | 罷免を可としない投票 | |
尾島 明 | 896 | 7589 |
宮川 美津子 | 840 | 7645 |
今崎 幸彦 | 904 | 7581 |
平木 正洋 | 812 | 7673 |
石兼 公博 | 823 | 7662 |
中村 愼 | 789 | 7696 |
選挙区の変化と影響
北海道4区は、今回の選挙で新たに石狩市が選挙区に加わりました。
この区割り変更による影響は…。
項目 | 変更内容 |
---|---|
追加地域 | 石狩市 |
選挙戦略への影響 | 新たな地域の有権者へのアプローチが必要に |
支持基盤への影響 | 従来の支持層に加え、新たな支持層の獲得が鍵となる |
最終結果への影響 | 石狩市を含む都市部での票が大築くれはの得票増に寄与 |
投票率の低下と影響
今回の衆院選の投票率は53.85%です。
前回 (2021年)の55.93%よりも低く、さらに戦後最低投票率だった2014年の52.66%に近い水準となりました。
投票率の低下は、選挙への関心の低下や政治への不信感が影響していると考えられます。
項目 | 内容 |
---|---|
全体投票率 | 53.85% |
前回比 | 2.08ポイント低下 |
背景要因 | 選挙への関心の低下、政治への不信感など |
影響 | 若年層や無党派層の声が反映されにくい結果に |
投票率の低下は、特に若年層や無党派層の意見が反映されにくくなる要因です。
投票率の推移
時代 | 年 | 投票率 | 備考 |
---|---|---|---|
戦後〜昭和後期 | 1958年 | 76.99% | 戦後最高の投票率。復興期で政治関心が高い時代 |
1980年 | 74.56% | 高投票率が続いた時期 | |
平成初期〜後期 | 1996年 | 59.65% | 小選挙区比例代表並立制の導入 |
2005年 | 59.32% | 60%を下回る低投票率が増加 | |
2014年 | 52.66% | 戦後最低の投票率 | |
令和時代 | 2021年 | 55.93% | わずかに回復 |
今回の衆院選 | 2024年 | 53.85% | 戦後最低の投票率に近い水準 |
地域ごとの得票傾向
選挙区内の都市部と地方部での得票傾向。
地域 | 主な支持候補 | 得票の傾向 |
---|---|---|
札幌市西区・手稲区・石狩市 | 大築紅葉氏 | 生活改善や政治とカネ問題への批判が共感を得る |
後志地域(余市町・倶知安町など) | 中村裕之氏 | 地域経済の活性化や農林水産支援を中心に支持 |
まとめ
第50回衆議院選挙・北海道4区の結果は、今回の新しい区割りの影響と低投票率が相まって、都市部と地方部での支持基盤の違いがより鮮明に表れる選挙となりました。
新たに石狩市が加わったことも、各候補の選挙戦略に大きな影響を与えました。
「政治とカネ」の問題への関心や生活改善を求める声が強く、そして地域経済の活性化や1次産業支援が重視されるなど、課題として見えたものが多くあります。
北海道4区の皆さま、今回の選挙において、
**大築くれは** に温かいご支援をいただき、心より感謝申し上げます。
これからも皆さまの声にしっかりと耳を傾け、地域のニーズに応える政策に取り組んでまいります。