余市町水道事業会計決算特別委員会

議会

11月8日(金)、令和5年度の余市町水道事業会計決算特別委員会が開催されました。
委員会は議長と議会選出監査員を除く、議員14名で構成されます。

質疑の内容は、正式な議事録が出来上がった時点でまとめようと思います。

ここでは改めて水道事業全般の概要についてと令和5年度決算の内容についてまとめます。

委員会の審査結果は、反対1、退席1、賛成12、の賛成多数で可決となりました。

水道事業会計とは?

水道事業会計とは、水道事業の収入と支出を特別に分けて管理する方法で、「独立採算制」というルールで運営されています。

つまり、水道料金として集めたお金は水道のためだけに使い、他の事業には流用しないようになっています。

これにより、水道の安定した運営と透明性の高い管理が可能になります。

主なポイント

  • 主な収入源は水道料金
  • 支出は水道のためだけ
  • 一般会計と別で管理

令和5年度 余市町水道事業決算の概要

水道事業の収入と支出

令和5年度の水道事業において、余市町は約7億円の収入を得ましたが、支出は約7億1,160万円にのぼりました。

収入が増えた一方で、支出も増え、今年度は少し赤字となっています。

項目金額
事業収入702,916,000円
事業支出711,607,423円
差引結果△7,691,423円

ポイント

  • 事業収入は前年度より約869万円増え、増加傾向にあります。
  • 事業支出は前年度よりも大幅に増加し、支出が収入を超えてしまいました。
    そのため、結果的に赤字となりました。

水道事業の収入の内訳

事業収入のほとんどは、皆さんが支払ってくださっている「水道料金」からの収入です。

収入の内訳金額
水道料金479,721,565円
その他の収入19,314,900円
合計702,916,000円

ポイント

  • 事業収入の中で一番多いのが、水道料金として集められた約4億7,972万円です。
  • その他の収入も含めて、合計で約7億円の収入がありました。

水道事業の支出の内訳

支出の内訳は、水道施設の管理費や災害対策費、施設の修理や維持にかかる費用が含まれています。

支出の内容金額
水道事業費747,213,000円
– 事業費662,883,000円
– 災害対策費83,330,000円
– 予備費1,000,000円

詳細な内訳

項目金額
営業費用741,729,390円
– 経営管理費716,116,763円
– 水道施設維持費15,348,350円
– 配水施設維持費300,945,350円
– 漏水防止費3,622,200円
工事費用943,765,000円
– 水道施設整備費201,220,632円
– 配水施設整備費403,232,409円

今年度の決算結果では、収入が増加している一方で支出がさらに多く増加したため、結果的に赤字となりました。

    余市町の水道事業が抱える問題について

    水道は毎日の生活に欠かせないものです。

    水道事業が抱える問題についてまとめてみます。

    外からの影響による課題

    人口減少と節水の意識

    • 余市町の人口が少しずつ減っているため、水道料金の収入が減ることが予測されます。
    • 節水を心がけたり、節水できる機器を使ったりすることで、収入が少なくなっています。

    水が汚れるリスク

    • 余市町の水源では、微生物や大雨の影響で水が汚れることがあります。
      これを防ぐため、絶えず水質を見守っていく必要があります。

    災害への備え

    • 地震や台風、大雨などの災害で水道施設が壊れると、水が使えなくなることがあるため、災害に備える準備が必要です。
    • 新しいウイルスや、テロといった不安がある時も、水が使えなくならないように準備を進めていく必要があります。

    余市町の中での問題

    古い水道設備

    • 町の水道設備やパイプが古くなっているため、修理や新しいものに取り替える必要があります。
    • 特に古い設備は壊れやすく、計画的に修理をして使えるようにしています。

    たくさんの更新が必要

    • これから10年の間に、さらに多くの設備が古くなると考えられています。
      そのため、更新や修理がたくさん必要になりそうです。
    • 古くなっている設備をどういう順番で更新するか考えながら、少しでも負担が少なくなるように進めてい行かなくてはなりません。

    職員の減少

    • 町の職員が少しずつ減ってきていて、特にベテランの職員が少なくなっています。
      経験のある人が少なくなることで、災害時に対応する力が弱くなる心配があります。

    これからの取り組み “余市町新水道ビジョン”

    人口が減って水道料金の収入が少なくなったり、古くなった設備が増えて修理や交換が必要になったり、災害が多くなって水道が止まるリスクが高まったりしています。

    設備の修理や更新には費用がかかり、その負担が水道料金に反映されるため、無理なく進めていけるよう計画を立てることが大切です。

    こうした課題に対応するために、令和4年に「余市町新水道ビジョン」を策定しています。

     新水道ビジョン」は、概ね以下のような計画内容となっています。

    • 基本の考え方:
      「未来に向けて、安全で安心できる水道を続けること」
    • 3つの目標:
      • 安全:
        いつでもどこでも安全でおいしい水を届ける。
      • 強い水道:
        災害が起こっても、早く直せる強い水道を目指す。
      • 続けられる水道:
        人が減ってもちゃんと運営できるように、費用を見直したり、効率よく管理をする。
    • 具体的な取り組み:
      • 安全のため:
        水の汚れを防ぐために、いろんな設備でしっかり管理。
      • 強い水道にするため:
        地震などで壊れないように、古い設備を新しくしていく。
      • 続けるため:
        お金の使い方を工夫して、今後も安定して水道を運営できるようにする。
    • 進み具合のチェック:
      計画がうまく進んでいるかをしっかり確認しながら、状況に合わせて計画を見直していく。

    まとめ

    令和5年度の水道事業会計においては、老朽化する設備への対応や災害への備えを行い、限られた予算の中で事業が適切に進められていると思います。

    しかし、収入減少が続く中で持続可能な水道事業を目指すには、引き続き効率的な予算執行と計画的な設備更新が求められます。

    今後は、「余市町新水道ビジョン」に基づき、老朽設備の計画的な更新、災害対策の強化、そして財政面での負担軽減のための対策をさらに進めていただきたいと考えます。