令和6年第3回定例会

議会

令和6年第3回定例会が、9月10日(火)〜9月12日(木)まで開催され、閉会しました。

今回の定例会の主だった内容をまとめます。

令和6年度 一般会計補正予算(第4号) 概要

歳出

  • 周産期医療支援事業に係る負担金
    3,487,000円
  • 新型コロナウイルスワクチン接種に伴う健康被害の認定を受けた方への予防接種健康被害給付費負担金
    881,000円
  • 寄付に伴う積立金
    ( ふるさと応援寄付金・社会福祉寄付金・社会教育振興寄付金 )

    163,933,000円
  • 町税還付に係る過年度支出金
    2,500,000円
  • 豊丘老人寿の家の修繕費 ( 雨漏り )
    ( アスベスト含有調査も含む )
    1,729,000円
  • 過年度分の国庫負担金等の精算に伴う返還金
    ( 心身障害者対策費 )
    15,931,000円
  • 合併処理浄化槽設置整備補助金
    1,080,000円
  • ダンプトラックの修繕費
    956,000円
  • 旧今邸園の修繕費
    341,000円

一般質問

一般質問は7名による14問です。

発言順位は質問を提出した順番となっています。

発言順位質問議員質問事項 
1尾森 加奈恵1.町長のワイン国際資格取得がもたらす地域振興について
2.余市町総合体育館の運営について
2大物 翔1.歩行者等の休憩場所設置による地域活性化について
3白川栄美子1.認知症の人に寄り添うケア技法ユマニチュードについて
4土屋美奈子1.オンライン医療サービスの導入について
2.公衆無線LAN(wi-fi)の整備について
5茅根英昭1.余市町の観光・産業振興について
2.並行在来線の存続について
6佐藤剛司1.町内公共施設の老朽化とコンパクトシティについて
7ジャストミート
あたる
1.教職員の労働負担軽減について
2.高齢者の補聴器の助成について
3.森林環境税及び森林環境譲与税の使途について
4.モイレ山の観光資源化について
職員不正事案に関する報告書内のアンケート調査について

私の一般質問について、「答弁がどうであったのか?」は、正式な議事録が出来上がってから、わかり易くまとめようと思ってます。

通告した質問内容だけ、載せておきます。

オンライン診療サービスの導入について

 本町は、全国的な傾向と同様に高齢化が進んでおり、これにともなって医療や介護の需要が増加しています。これにより医療機関へのアクセスが重要な課題となっており、特に免許返納者の増加や公共交通機関の減便や不安定さといった課題が、医療へのアクセスに大きな影響を及ぼしています。こうした背景を踏まえると、オンライン診療サービスの導入は、自宅から医療を受けることができるため、効果的な手段と考えられます。特に慢性的な疾患の場合、薬の処方には医師の診断が必要なため、定期的に病院を訪れる必要がありますが、サービスの導入によって、自宅での処方も可能です。本町には専門医や専門の医療機関がない場合なども含め、多くの人が小樽や札幌の医療機関へ通院していますが、今後も進む高齢化と医療アクセスの課題を解決する一つの手法として、オンライン診療の可能性は有効であると考えます。

高齢者や移動が困難な人などが、より簡便に医療支援を受けられる環境整備は、喫緊の課題であると考えますので、その可能性について検討して行くべきと考えますが、見解をお伺いいたします。

併せて、今後の地域医療についての展望をお伺いいたします。

公衆無線LAN(wi-fi)の整備について

現代社会において、インターネット環境は私たちの日常生活に不可欠なものとなっています。特に公衆無線LAN(wi-fi)の整備は、住民や観光客に対して利便性を提供し、情報へのアクセスをより容易にする手段です。さらに、災害時の通信手段としても重要な役割を果たすため、整備を進めていくことが必要と考えます。
そこで以下についてお伺いいたします。

1. 今後の整備の必要性について、見解をお伺いいたします。

2. 現在、余市町内の公共施設や観光地における公衆無線LAN(wi-fi)の整備状況についてお知らせください。

余市町議会では、一般質問は通告制で、各議員が事前に質問の要旨を提出します。
本会議場では、その質問が改めて読み上げられ、理事者側から答弁があります。

議員は答弁がどのような内容になるか事前にはわからないため、その場で質疑を組み立てる必要がありますが、答弁を予想しても、実際の答弁が予想と異なることもあり、なかなか難しいです。

他の議会では質問と答弁を事前に調整し、本会議ではそれを読み上げる形式もあるようですが、余市町の場合は本会議場でのリアルタイムなやり取りが基本となっています。

決議案第1号 

ジャストミートあたる議員に対する問責決議

 議員は、住民の直接選挙によって選ばれ、住民全体の代表者として議会を構成し、その職務に専念するとともに、町の意思を形成する重要な任務を有し、その身分は町村の特別職の公務員とされ、議員の義務としては、「会議に出席する義務」「規律を守る義務」「懲罰に服する義務」を有し、本町議会会議規則第101条においても「議員は議会の品位を重んじなければならない」と規定され、余市町政治倫理条例第4条では「町長等及び議員は、町民全体の奉仕者として、常に人格と倫理の向上に努め、品位と名誉を損なうような一切の行為を慎み、その職務に関して不正の疑惑を持たれるおそれのある行為をしないこと。」と規定されております。
 しかし、ジャストミートあたる議員は、会議や自身が行う動画配信において、不適切発言を繰り返すなど、「議員としての品位の保持及び秩序維持」に努められておらず誠に遺憾であり、議員としての職責、責任の重さなど認識していないと言わざるを得ない。

 よって、余市町議会として、これら責任を真摯に受け止め、議員としての自覚と責任ある行動をするよう猛省を促すものである。

 令和6年9月12日

余市郡余市町議会 

要望意見書

議会提出の要望意見書は4本です。

3本が全会一致、1本は賛成多数で、いずれも可決しました。

全会一致の3本。

国土強靭化に資する社会資本整備等に関する要望意見書

 北海道は、豊かで美しい自然環境に恵まれ、広大な大地と海に育まれた豊富で新鮮な食を強みに我が国の食料供給地域としての役割を担うとともに、・特有の歴史・文化や気候風土などを有しており、これらの独自性や優位性を生かしながら、将来にわたって持続可能な活力ある北海道の実現を目指しています。

 しかしながら、北海道の道路を取り巻く環境は、高規格道路におけるミッシングリンクをはじめ、自然災害に伴う交通障害、幹線道路や通学路における交通事故、道路施設の老朽化など、多くの課題を考えています。

 これらの課題を解消し、「食」や「観光」に関連する地域が持つ潜在力を最大限発揮させるためには、平常時・災害時を問わない安定した物流や、広域周遊観光を支える道路ネットワークが必要不可欠です。加えて、積雪寒冷地である北海道では、安定した除排雪体制の確保など、冬季間の住民の安全・安心を確保することが必要です。

 そのため、地方財政が依然として厳しく、また資材価格の高騰や賃金水準の上昇に対応する中でも、道路整備・管理に必要な予算を安定的に確保することが重要です。

 よって、国においては、本年発生した能登半島地震や切迫する日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震を踏まえ、高規格道路から市町村道に至る道路網の整備や老朽化対策など、国土強靭化の取組をより一層精進するため、以下の措置を講じるよう強く要望いたします。

1. 賃金水準などの上昇も加味した上で、山積する道路整備の課題に対応して行くため、新たな財源の創設及び必要な予算を確保すること。

2. 防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策の推進はもとより、その後も切れ目なく継続的・安定的に取組を進めるため国土強靭化実施中期計画を令和6年内の早期に策定し、必要な予算・財源を別枠で確保すること。

3. 人流、物流の活性化に向けた高規格道路におけるミッシングリンクの解消や、高規格道路と直轄国道の連携によるダブルネットワークの構築、暫定2車線区間の4車線化や耐震補強等の機能強化など、国土強靭化に資する災害に強い道路ネットワーク整備を推進すること。

4. 国土強靭化の事業計画等に基づく橋梁、トンネル等の老朽化対策を推進し、予防保全による道路メンテナンスへ早期に移行するため、維持管理・更新事業に必要な技術的支援の拡充や予算を長期安定的に確保すること。

5. 冬期交通における安全性の確保、通学路などの交通安全対策、無電柱化の推進など、地域の暮らしや経済活動を支える道路の整備や管理の充実を図ること。

6. 災害発生時の迅速かつ円滑な復旧等のため、北海道開発局及び各開発建設部の人員体制の充実・強化を図ること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 令和6年9月12日

北海道余市郡余市町議会議長  藤野博三 

【提出先】衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣、財務大臣、国土交通大臣、国土強靭化担当大臣

慢性閉塞性肺疾患(COPD)に対する支援強化を求める要望意見書

COPDは、主としてタバコの煙やPM 2.5などの有害物質を長期に吸入暴露することで生じたはいの慢性疾患であり、症状としては咳、痰、息切れが特徴です。現在、COPDは、「健康日本21(第三次)」において、がん、循環器疾患、糖尿病と並び、対策を必要とする主要な生活習慣病に位置づけられています。COPDは、肺胞が破壊されることにより、酸素の取り込みや二酸化炭素を排出する機能が低下し、一度破壊されてしまったはい(気管支や肺胞)は治療しても元に戻らないため、重症化する前に治療を開始することによって進行を遅らせることや急激に症状が悪化することを予防することが大切です。

 また、COPDが進行し、息切れや症状悪化により身体活動性が低下することで、フレイル(健康な状態と要介護状態の中間段階)に移行し、要介護状態や寝たきりになる可能性が増大するとも言われており、介護費用の増大につながる可能性も示唆されています。

 さらに、COPDは循環器疾患(狭心症等の心血管疾患、脳血管疾患)、がんなど、他の慢性疾患との関連性も注目されています。日本COPD疫学研究(NICE Study)の調査によれば、国内のCOPD患者は推定530万人とされていますが、厚生労働省等のデータからは実際に治療を受けているのは約36万2000人にとどまっており、約500万人が未診断であると考えられる中、COPDの早期診断・早期治療への取組の強化が必要です。

 よって、国においては、COPDの認知度を高めると同時に、潜在的なCOPD患者の早期診断と早期治療への取組を強化し、その重症化予防対策を適切に進めるために以下の措置を講じるよう強く要望致します。

1. スパイロメーターを地域の医療機関へ配備する支援を行うと同時に、臨床検査技師・保健師等への研修実施やガイドラインの周知を徹底するとともに、画像検査(胸部X線や胸部CT検査)とプログラム医療機器を用いた肺の炎症状態を定量的に測定する検査法の開発と普及を図ること。

2. 重症化や増悪を抑えるため、地方公共団体が実施する検診勧奨対策への財政支援や保健者努力支援制度の拡充、取組推進へのインセンティブ制度の導入や、インフルエンザワクチン、肺炎球菌ワクチンの積極的な活用を検討するとともに、厚生労働科学研究費などの研究資金の確保により新規治療薬開発のサポート体制を強化すること。

3. 情報や知識の普及啓発について、医師等による適切な指導や、幅広い年齢層に対する保健指導などの教育や研修を推進するとともに、地方公共団体が実施する認知度向上や死亡率低下、ヘルスリテラシー向上に向けた取組に対する財政支援を強化すること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 令和6年9月12日

北海道余市郡余市町議会議長  藤野博三 

【提出先】財務大臣、厚生労働大臣 

自動運転移動サービス等の社会実装に向けた環境整備を求める要望意見書

 高齢化が進んでいる現在、高齢者の運転による交通事故が社会問題となっています。2023年の高齢ドライバーによる交通事故発生件数は4,819件で事故全体に占める割合は15.4%となっており、2019年の18.1%からは減少しているものの、依然として多発している状況です。

 2009年と2019年の75歳以上、80歳以上の運転免許保有者数を比較すると、75歳以上は324万人から583万人の約1.8倍、80歳以上は119万人から229万人の約1.9倍に増加しており、今後ますます高齢ドライバーが増えていくと想定されます。

 運転することに不安を感じている高齢運転者や交通事故を心配する家族等から相談を寄せられている地方公共団体では、運転免許の自主返納の取組が進められる中で、免許返納後の移動手段の確保が大きな課題となっています。

 また、国では高齢運転者による死亡事故の深刻な社会問題化を背景に、免許返納者向けの交通割引施策を新規で実施する地方公共団体への支援を検討していますが、公共交通の空白地域には課題が残ります。

 よって、国においては、自動運転移動サービス等の社会実装に向けた環境整備のための充分な予算措置や自動運転車両の利活用への環境整備の推進とすべての地方公共団体による高齢運転車の免許返納の推進のため、以下の措置を講じるよう強く要望致します。

1. 地方公共団体が実施する高齢者の免許返納の促進に伴う自動運転移動サービスの導入において、国の相談窓口の開設や専門家の派遣等の伴走型の支援体制を整えること。

2. 自動運転システムが主体となって車の操縦・制御等を行うレベル4以上の車両の開発を促進するとともに、遠隔操作システムの導入を含めた地方公共団体における利活用の仕組みの検討など、自動運転車両の実用化に向けた環境整備を加速すること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 令和6年9月12日

北海道余市郡余市町議会議長  藤野博三 

【提出先】経済産業大臣、国土交通大臣

賛成多数の1本。
反対は白川議員と寺田議員。賛成は他全議員。

義務教育の機会均等の確保と教育予算の確保・拡充を求める要望意見書

 義務教育の機会均等・水準確保及び無償制度は、すべての国民に対し義務教育を保障するための憲法の要請に基づく国の重要な責務であり、我が国の教育制度の根幹となっています。

 中でも、義務教育費国庫負担制度は、すべての子どもたちに一定水準の教育機会を等しく保証するものであり、次代を担う人材を育成するという社会の基盤づくりに必要不可欠なものです。

 しかしながら、義務教育費国庫負担法の改正により、平成18年から義務教育費の国庫負担率が1/3に引き下げられたことに伴い、地方公共団体においては、地方交付税等への依存度が高まり、教育財政が圧迫されている状況にあります。

 とりわけ、広大な地域に小規模校が多数く存在し、また、離島などオークの過疎地域を有する北海道においては、教育財政の圧迫等により、教育水準の全国との格差や市町村間での差が生じるなど、北海道の教育水準の更なる低下が憂慮されるほか、学力・体力の向上をはじめ、いじめや不登校など多様化・複雑化する生徒指導上の課題への対応や近年増加傾向にある教育上特別な支援を必要とする児童生徒へのきめ細かな指導の充実とに支障をきたすことが懸念されます。

 人口減少や少子高齢化の進行、情報技術やグローバル化の進展など急激に変化する時代の中で、令和の日本型学校教育により経済や地域の状況等に関わらず質の高い教育を実現し、予測できない未来に向け自ら社会を作り出して行く「持続可能な社会の作り手」を育むため、未来を担う子どもたちひとりひとりの資質・能力を最大限引き出す必要があります。

 さらに、学校における教職員の処遇を改善するとともに、働き方改革を進めることなど教職員のなり手を確保し、子どもの学習環境を整備して行く必要があります。

 よって、国においては、公教育に経済・地域間格差を生じさせないため、地方交付税等を含む義務教育費予算の確保・拡充を図れるよう強く要望致します。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  令和6年9月12日

北海道余市郡余市町議会議長  藤野博三 

【提出先】衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣、財務大臣、文部科学大臣